本記事はウェビナー『LIFULL x Securitize 不動産投資 x セキュリティトークンの可能性とは』を書き起こしです。
動画はこちらから
https://www.securitize.co.jp/thought-leadership/webinars/lifull-securitize-webinar-realestate-sto
※ 読みやすくなるよう、発言者の意図は変わらない範囲で一部表現を編集してあります。
森田
はい、では始めさせていただきます。不動産とセキュリティトークンのメリットということで、今回はLIFULLの松坂さんとSecuritizeのカントリーヘッドの小林を招いて色々と聞いてみようと思います。
今日モデレータをやらせて頂きます森田と申します、Securitizeのテックコンサルタントをやってます。まずはお二方に自己紹介していただければと思うんですが、松坂さんからお願いしてもよろしいでしょうか。
松坂
はい、株式会社LIFULLの松坂です。よろしくお願いします。LIFULLは日本において不動産のポータルサイトを20年ぐらいやってきまして、インターネット上での不動産のマッチングをビジネスとしてやってきております。そして今後は、いままでは情報マッチングを中心にやってきたところを、不動産の価値そのものをやり取りをしてきたいということで、これを実現するテクノロジーがブロックチェーン・セキュリティトークンという所であると思い、今事業を進めております。
森田
ありがとうございます。では小林さんお願いします。
小林
はい、ありがとうございます。Securitizeは2017年に米国で設立された会社でブロックチェーン技術を用いてトークン化し、STOのライフサイクルをサポートするプラットフォームをSaaSベースで提供しています。全世界の資本市場のトークン化、民主化、それを通して再構築をして行くことを目指し、現在150社以上の顧客の実績があり、また6万人以上の投資家の支持を得ている、非常に大きなプラットフォームに成長しています。そういう意味では実用プラットフォームとしては世界でナンバーワンと言えるかと思います。
森田
ありがとうございます。ではですね、今回このお二方をお招きした、というか私自身もSecuritizeのメンバーでもあるのですけども、そういった経緯としましては、不動産特定共同事業者向けのセキュリティトークンの事業で一緒にやらせて頂いている背景がございます。そこら辺のことを今回は深堀りして聞いていければなと思っております。
ではまずは不動産投資といったところの、ちょっと広い話にはなるんですけれども、これまでどのような課題があったのか背景をまず松坂さんから教えていただければと思うんですがよろしいでしょうか。
松坂
はい、そうですね。不動産投資ですと日本では20年ぐらい前から少しずつ不動産を売買・投資する時にインターネットを使うことが増えてきた形であるんですが、その中で大きく分けると、この現物投資と言われる不動産そのものを買っていく方法と、もしくは上場リートですね。証券会社を通じて上場リートを買っていくという大きく二つの流れがありました。
この3年ぐらいですね、このちょうど間の不動産クラウドファンディングというものがスタートしてきました。上場リートですと個別の不動産を選ぶのではなくバスケットになったいくつかの不動産に対して投資をしていく形なんですが、そうではなく個々の不動産をさらに小口化したものに小口投資をできるようなスキームが生まれてきました。
非常にこの領域は今伸びている領域である一方で、まだセカンダリーマーケットがなく、この辺りが今非常に求められている部分であり、このセカンダリのマーケットが出来上がるとさらにこのマーケットが爆発的に大きくなるんじゃないかというのが今の状況かなと思っております。
森田
ありがとうございます。ではそういった課題を踏まえてセキュリティトークンでどのような解決を期待できるのかというところは我々の事業にも関わってくるところですけれども、そういった点を小林さんから、不動産と絡めるとどうなるかってことをご説明いただければと思うんですがよろしいでしょうか。
小林
そうですね、トークン化することによって不動産投資が持っている課題をいくつか解決できるんじゃないかと思うんですけれども、まず第一に流動化でしょうか。不動産投資って一回するとなかなかエグジットが難しく結構長い投資になると思うんですけれども、それをトークンに置き換えることによって基本的にはいつでも期中にエグジットすることができるようになることが大きなプラスじゃないかと思います。
それから二番目は小口化じゃないでしょうか。不動産投資は単位が非常に大きいので一件やっぱり何千万円とかになってしまう。けれども、トークン化することによって何万円とか本当に一般の投資家が手に届く範囲の投資対象となるということで、これもやはり非常に大きなプラスだと思います。
それから三番目は利便性。じゃあ仮に売ることができるとしても、不動産を直接持ってると手続き非常にめんどくさいですよね。トークンにしておけばオンラインでほとんど数クリックでトランザクションが完結することで非常に便利ですし、例えば日中しかできないとかそういうことがなく、理論的には24時間365日いつでもできることで、非常に簡単に取引が出来る。このようなことで不動産投資が一般の投資家にとって非常に身近になる。こういったことをお手伝いできるかと風に思います。
森田
いまご説明いただいたようなセキュリティトークンの仕組みに松坂さんが注目されたきっかけ、それはブロックチェーンに注目したってところが先かもしれないですけど、そういったところの一番最初のきっかけみたいなところを教えていただければと思います。
松坂
はい、そうですね。やはり最初からこういう図が見えていたかというとそうではなくて。元々ブロックチェーンに触れたきっかけは、やはりビットコインのような仮想通貨といったものに触れていく中で、このブロックチェーンのディセントラライズドな考え方であったりとか、誰もが自由に使えて、先ほど小林さんがおっしゃったように24時間止まらないサービスをですね、どんな人でも使える利便性、こういったものを不動産にどう使っていけるのかなという事を色々な形で考えてきました。
セキュリティトークンという形だけではなく、不動産そのものをノンファンジブルトークンにしてやり取りするといったようなアイデアであったりとか、不動産情報そのものをブロックチェーン上に書いてみんなで共有するといったそういったアイデアもありました。その中でどういったものを事業化して行けるのかをずっと考えてきた中で、Securitize Japanさんの前身であるBUIDLさんと実証実験を色々やっていこうといったことが始まりました。そういった中からSecuritizeさんのサービスを知ることができ、このプロダクトであれば日本の不動産のクラウドファンディングと組み合わせてうまくできるんじゃないかといったアイディアも一緒に考えて頂きながら進めてきた形かなと思っています。
森田
はい、ありがとうございます。まさに私が担当したところではあるんですけれども、2019年の春ぐらいからですかね。確か実証実験から始まって、その後に(BUIDLが)Securitizeになってと色々と経緯はありましたが、こういった形で商用化にこぎつけられて非常に良かったと思っております。
では、こういった実用化の話がある一方で、世界的には色々な事例も出てきていると思うんですけども、ちょっと毛色が変わってくる話でありますけれども、セキュリティトークンの実用化という意味ではどういった話が他にもあるのか、セキュリティトークンの可能性という意味も込めて何かコメントがあれば小林さんお願いできますでしょうか。
小林
はい。セキュリティトークンって今不動産の話が結構中心ですけれども、基本的には全世界のどんな証券あるいは有価証券、またはアセット、キャッシュフロー、こういったもの全てがトークン化する対象になるかと思います。いま面白い・すごい所というのは、資金が必要な、いわゆる発行体といわれている人たちと投資をしたい投資家たちを直接つなぐことができる可能性がある、そういう仕組みというか新しいテクノロジーですね。
ということはそこから来る色々なメリットがあるんですけれども、ひとつ海外で起こっている例を挙げますと、今まで普通の投資家があんまり投資できる対象として出てこなかったような案件とか物件、こういったものがトークン化することによって投資対象として実際に案件として出てきてます。例えばプロのスポーツ選手とか、それからプロのスポーツチームとか、こういったものに直接、個人投資家がトークン化したもので投資をしていくとか、あるいは映画とか映像とか音楽とか、そういったクリエイティブな世界の実際のプロジェクトあるいはその監督・クリエイターといった人達に直接投資をしていくと、こういったこともだんだんと出てきています。
これはやはり今まで投資対象としてなくて、トークン化することによって初めて出てきたという意味で非常に面白いということと、あとは最近、もう本当にいわゆる運用なんですね。投資対象がほとんどない中でこういう新しい分野を開拓できるという、そういうテクノロジーの使い方は非常に意義があるのかなと思います。
森田
はい、ありがとうございます。非常に面白い話が聞けました。ここまでそういった不動産の話、そしてテクノロジーとしてのセキュリティトークン、その可能性みたいな話を伺ってこれました。
そこからもうちょっと具体的な話になりまして、今回SecuritizeとLIFULLさんと一緒にやらせていただいているこの不動産特定共同事業者向けの仕組みや概要のご説明を、ちょっと興味深い話としては世間的には金商法の話が非常に多い中でこの不動産特定共同事業法の仕組みになぜ着目したのか、というところも踏まえてお話いただけると非常にありがたいです。松坂さんお願いしてもよろしいでしょうか?
松坂
はい、そうですね 。このセキュリティトークンを使いまずSTOを考える時に、やはりレギュレーションのところで見ると、日本に限らないと思いますけど、金商法といったいわゆる金融の世界のルールにどうフィットさせていくのかが課題になるのは万国共通なんだと思います。我々も当然ながら同じように、金商法におけるこういった集団投資のスキームをどのように当てていけるのかなと考えていったという、スタートとしてはそういうところから考え始めました。
ただ、そういった中で一つ気づきと言うか、わかってきたことで言うと、金商法の中には、既に先ほどの上場リートの話などさせていただきましたけど、ある程度この二次流通・セカンダリー取引を実現するスキームというものがすでに出来上がっていたんですね。もちろんそこをブロックチェーン・セキュリティトークンを使って置き換えていくことはそれはそれで一つ意義があることだなと思ったのですが、一方でこういった仕組みがない中に改めてこのブロックチェーンって言うテクノロジーをドンと持ち込むとですね、今までできなかったことが急に出来るといった、そういう世界もあるんじゃないかなと考えました。
特に不動産で、まあ先ほど申し上げましたけど、現物でもない上場リートでもない、そのちょうど中間の世界の不動産クラウドファンディングにおいてはまさにその状態であったわけですね。いわゆる保管振替機構のような仕組みがないがゆえになかなかセカンダリを実現しようとしても、もう本当に個人間の相対譲渡でやるしかない状況だということが、いろいろと調べていくうちにわかったわけであって、そこにブロックチェーン・セキュリティトークンを持ち込むことによって、これが安全かつ便利にできる。結果として流動性が高まるというシナリオが描けてきた形だったのかなと思っています。
森田
ありがとうございます。まさに何もないところに切り開いていく立場というところが今回のエキサイティングなところかなと思いますね。まさにそういったところのテクノロジーパートナーとして、なぜSecuritizeなのかというところ、逆にSecuritize側の目線からして、うちはこういうところがそこにマッチしてたんだということを小林さんから是非ご説明いただければと思うんですがよろしいでしょうか。
小林
ここから数分間はコマーシャルみたいになっちゃうんですけれども、何でSecuritizeなのかということを簡単にお話しさせてください。画面でスライドを共有させていただきますけれども、5つ理由があるかなと思っています。一つ目は実績。現在150社以上の顧客、6万人以上の投資家がおりましてですね、STOプラットフォームを手掛けている企業は海外でも日本でもあるんですけれども、実績がある会社って一体どれくらいありますかって言うとほとんどないんですね。そういう意味ではうちは本当に競争相手と言われてるところと比べて数年先に行ってると思いますので、実運用されている プラットフォームであることが一番信用・信頼性という意味で重要かと思います。
それから2番目は(右に行きますけど)コンプライアンス。これは当たり前の話なんですけれども、数年前にICOとかで起こったことを考えると、コンプライアンスがいかにこういった資本市場とか投資家との関係において重要かということはわかると思いますけども、会社がそういったものを重要と考えてるかどうかがやはりポイントかと思います。うちの会社はSECのデジタル証券のトランスファーエージェント登録第一号となったりとか、そこのところは非常に重視した運営を行っておりますので信頼いただけると思います。
3番目はプラットフォーム。オープンなプラットフォームで常に進化し続けていると。3年前にローンチした時よりもうはるかに多くの利便性を追求したいろいろな新規の作りこみとかありますので今現在、非常に進化した高度なプラットフォームになっておりますし、使い方も好きなところだけ使えることで非常に便利かなと思います。
4番目はグローバル。うちはグローバル企業ですので、同じプラットフォームでグローバルでどこでも使えるのは前提ですけれども、仮ににどこかの国だけしか使えないとそういうものを作っても作ってもあまり意味はないので、そういう意味でもうちのプラットフォームは先進的かなと思います。
最後に日本市場へのコミットメント。先般ですね、NTTデータさんと協業の発表もいたしましたけれども、そういったローカルのパートナー企業の力を借りながら日本においていかに日本のマーケットにあったソリューションを提供できるかということを追求していきたいと思ってます。そういう意味でもアメリカの会社ではありますけども、日本の市場でやっていくことを目指してやっておりますので信頼いただけるようになりたいと思っています。
以上5つがなぜSecuritizeなのか、うちと一緒にやらせていただければお客様にとってメリットがあるであろうと思われる点であります。
森田
ありがとうございます。若干宣伝めいた感じで松坂さんには恐縮ですけれども(笑)
松坂
そんなことないです(笑)まさにおっしゃっていた部分ですね。日本でそうは言っても新規にセキュリティトークン発行しようという時に、これをゼロから作っていくのは非常に時間もコストもかかることはそれまでの実証実験等の中で我々も感じていた課題だったわけですね。そこにすでに米国でも実績があって、かつ投資家保護という観点では非常に大事になってくる部分を十分に考慮されて作られて、SaaSで提供してもらえる、そういうものがあったのは非常にラッキーだったと思っております。やはり実際商用化するところまでできたのはもう本当にSecuritizeさんのシステムがあったおかげだと思っていて、おそらくこれがなければここからまだ本当に一年二年先、そういう話だったんじゃないかなと思っているところです。
森田
非常にありがたいお言葉、本当にありがとうございます。
ここからはこのLIFULLさんのSecuritizeとやっていただいている不特法向けのスキームを利用されたい・ご検討されてる方がいらっしゃった時にどんな形で導入していくのかというところを松坂さんからご説明いただけますでしょうか。
松坂
そうですね。今回は不動産特定共同事業法を用いた不動産クラウドファンディングという形にセキュリティトークンの仕組みをつなげる、ジョイントして使えるようなスキームを提供させて頂いております。ですので、ゼロから作る形というよりは既に稼働している、もしくは稼働実績のある不動産クラウドファンディングの仕組み、プライマリー募集ですね、いわゆるセカンダリではなく最初のプライマリーの募集の部分をそのまま使って頂きながら、そこで募集したいわゆる不動産特定共同事業法でいうところの持分、これをSecuritizeさんのほうの仕組みに連携させてトークンを発行する形でご提案をしております。
ですので非常にスピーディに導入も出来ますし、かつブロックチェーン周りのところの開発のノウハウといったものがなくてもですね、GUIベースで接続して使えるといったメリットがあります。かつ、その発行したトークンを今度はスマートコントラクトベースで投資家さんとまた新しい投資家さんに譲渡売買ができるといった部分も合わせてご提供しておりますので、導入される方としてはもう本当に開発といった形で考えていただかなくてもパッケージアプリケーションを導入して、まあ接続の部分だけ少し作っていただくと言うだけで導入できます。期間的にも2~3ヶ月ぐらいあれば十分に導入してもうSTOできる、セキュリティトークンの募集をできる状況まで持っていける形にしておりますので非常に導入ハードルの低い形のモデルが出来てるんじゃないかなと思っております。
森田
ありがとうございます。私も担当させていただいておりまして全力でサポートさせて頂きますので、是非これを見て検討されている方はご連絡頂ければと思います。
では、ここからは実際にそれをもうすでに導入して頂いてるお客様が出てきてるところで、やってみてどういう反応があったのかとかフィードバックや、逆に今後の課題とかそういったところが、もし話せる範囲であれば今日いただければと思うんですけれども、松坂さんいかがでしょうか。
松坂
そうですね。昨年二つの案件を実施させていただきました。で、やはり日本の中ではそういったSTOというかセキュリティトークンの発行はこれまで行われてなかったので、正直投資家の方からどのような反応をいただくのかとか、実際にそこに対して投資をしてもらえるのかという不安も当然あったんですけど、おかげさまで二つの案件、それぞれ別々の事業者様で実施していただきましたけど、どちらも成立に至ることができた形です。
トラフィックの状況なんかも共有を頂いていますけど、やはりセキュリティトークンを導入したところでですね、非常に世間の注目を集めた部分も今年にはプラスに働いたのかなというところは数字にも見えてきてます。ですので、やはり今までの不動産クラウドファンディングのスタイルですと基本は償還までずっと持ってなければいけないというところがあったわけです。結果としてあまり期間が長いファンドはどうしても投資家さんからやや遠慮されてしまったりとか、どうしても発行体さんも期間の短いファンドにせざるをえなかった部分が投資家さんにとっても発行体さんにとってもペインポイントだったわけですけど、ここの部分が解決される所への期待感はあったのではと思っておりまして、やはり我々としては今後これをもうデフォルトにしていきたい、スタンダードにしてきたいと思っているところですね。
その上でもまだやはり課題もたくさんあるかなと思っておりまして、このセカンダリの部分をもっとなめらかにしていく必要がひとつはあるんだろうなと思っております。それからやはりレギュレーション面はですね、まだこの不動産特定共同事業法の中ではそういったセカンダリの流通がこれまであまり前提とされてこなかった部分がありますので、当然その部分では投資家保護の観点も含めて、かつ、この新しいブロックチェーンというテクノロジーが前提となった中でどういうルール決めをしていくと投資家さんにとっても発行体さんにとってもベストなものになっていくのかということはまだまだ議論の必要があるんではないかなと思っています。
ただですね、これは非常にエキサイティングな取り組みだなと思ってまして、これからそういう今まで全くなかったマーケットがテクノロジーによってどんどん作り上げられてくというところですね。これを業界の皆様と一緒に今取り組んでいけるって言うことは非常にワクワクすることでありますし、また、このブロックチェーンの秘められた可能性がまたそこで大きく開花していくのかなと思うと非常に楽しみでならないなと思っております。
森田
ありがとうございます。是非一緒に取り組みを続けて良い市場を作っていければなと思っておりますので、引き続きよろしくお願いします。
では、LIFULLさん側の本当に生の反応をきけたことで、いい回答をありがとうございますと。逆にですね、小林さんの方にお聞きしたいのはSecuritizeとして色々なグローバルでの取り組みを見つつ日本での取り組みをやりつつというところで、このLIFULLさんとの取り組みというのはどんな位置づけで注目されているような状況なのかとか、Securitizeの幹部のグローバル側の反応ですとかお聞きできると面白いかなと思うんですけれども、そちらよろしいでしょうか。
小林
はい。やはり日本においてのSTOという意味の本当のライブディール、ライブディールってどういうのかって言うと発行体も投資家も自分の意思に従って本当にコマーシャルペースでやってきて、それで成立した理由という意味ではやはり日本で第一号だと思うんですよね。
もちろん我々日本においても非常に大きな成果だったと思いますし、Securitize内部でもそういう意味での高い評価を得ております。それはSecuritizeの中の話なんですけれども、やはり先程申し上げているように、不動産がより一般の投資家に対して身近なものになっていく、そして今までできないようなものが手に届くようになってくとか簡単になってくとかいうことは、今の金融市場とかあるいは運用難と言われてる中で非常に意義があると思います。そういう意味で今回のディールって言うのはまさにそういう意味でもタイムリーであったなと思っております。我々もやはり、LIFULLさんと一緒にこういったディールを本当に先陣をきってすることができたのは大変嬉しく思っています。
森田
ありがとうございます。不動産業界に対するインパクトのようなお話も伺えたので、松坂さんにも今後の展望、今後5年とかそういったスパンでセキュリティトークンが不動産業界に対してどうインパクトを与えていくのか、ビジョンをお聞かせいただけるとありがたいです。よろしいでしょうか。
松坂
はい。そうですね、先程から話しているところで言うといろいろ実際の案件も出てきているとはいえ、一方でインターネットが始まった頃に例えて言うと、amazonで初めてものが買えたみたいな、まだそういうタームなんだなと今は思っています。これがすべての人に広まっていく中で沢山のおもしろいことが起きてくるんだろうなと思っています。
そういった中で小林さんの話にもあったようにですね、やはり今まで投資対象にならなかったものに投資が入ってくるのは不動産においてもあるんだろなと思っていまして、特にこのLIFULLという会社でいうと今の地方創生にも取り組んでいて、その中ではやはり空き家問題ですね。日本における少子高齢化に伴う空き家問題みたいなものの一つの解決のスキームにもなるんじゃないかなと思っています。
今そういった空き家問題を再生していくために地域で頑張っている方がたくさんいらっしゃって、そういった中で再生のためのノウハウも蓄積されつつあるんですけども、まだやはりファイナンスの部分が追いついていないといった課題もありまして、そういったところをこのSTOスキームができることによって、そういった志ある方に対して資金が届く事が実現できるんじゃないかなと思っております。単なる不動産投資だけではなく、SDGs、ESGといった志ある投資、こういったものにもこのSTOというスキームは非常にフィットするテクノロジーなんだと思っております。
そういった中でやはり究極的なゴールで言えば今証券化されてない国内の不動産は、投資用に限っただけでも150兆円200兆円規模あると言われておりますので、こういったものをどんどんトークン化していってですね、どんな不動産に対してもトークンという形でアプローチできる、そういった国に日本がなっていけるんじゃないかなと思っております。向こう5年間でどこまで行けるのかまだ分かりませんが、少なくとも不動産というものに小口でタッチしていきたい時に、インターネット上でそこを自由に選んで買っていける、そういった世界には結構すぐなっていけるんじゃないかなと思っておりますので、是非ご期待していただければなと思っております。
森田
はい、ありがとうございます。非常に共感できる話をありがとうございました。では最後にそう言ったことも踏まえて小林さんから、不動産業界とセキュリティトークンという関係で今後どのように取り組んでいこうかコメントいただければと思います。
小林
やはりセキュリティトークンあるいはSTOの強みを活かして、不動産業界の効率化・活性化を進めていくお手伝いができたらいいなと思ってます。特にお金の流れのところで投資家にとって、いかに便利で今までできないような投資ができるようになるとかは今お話させて頂いていますので、投資家にとって不動産業界がより身近なものになるのではないかと思いますし、そういったところでお手伝いできればいいなと思います。
あと、もう一つの側のお金を必要としているサイド、事業者ですね。こちらについてもより簡単に資金調達ができることは一つ大きなメリットですけれども、もう一つやっぱり将来できたらいいなと思うのは、先ほどお話したクリエイティブな世界の海外でのSTOの話ちょっとしましたけれども、不動産の中にも芸術性のあるものとかあるいは、ある特定のその建築家とかそういったものである種、映画とか映像とか音楽とかそれに近いような物件とかそういうものもあるかと思うんですね。やはり今まではそこだけ切り出して資金調達するのはなかなか難しかったと思うんですけども、STOはまさにそれを可能にするような手法・技術ですので、そういったところまで展開していって、今まではなかなか難しかったなと思うようなプロジェクトとか、不動産業界がより面白い業界になっていくこともお手伝いできたらいいなと思ってます。
そういう意味で投資家側、事業者あるいは資金ニーズがある側、両方に対してSTOは非常に大きな力になると思いますので、是非とも一緒に進めていって業界全体を盛り立てていければなと思います。
森田
はい、ということで、ではここら辺で時間も結構経ってしまいましたので締めさせていただければと思います。こういった形でセキュリティトークン x 不動産というところでLIFULLさんとSecuritizeでいろいろ進めているところでございますので、ご興味のある方はLIFULLさんでも我々でもお気軽にお問い合わせを頂ければと思います。本日は松坂さん、小林さんありがとうございました。ではこれで終了とさせていただきます、ありがとうございました。
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