山陰合同銀行、NTTデータ、Securitize Japan、新たな資金調達の実現に向け地域におけるデジタル証券活用の本格検討を開始

~山陰合同銀行自身による発行可能性を検証し、地域への展開モデル構築へ~

 株式会社山陰合同銀行(本店:島根県松江市、取締役頭取:吉川 浩、以下「山陰合同銀行」)、株式会社NTTデータ(本社:東京都江東区、代表取締役社長:鈴木 正範、以下「NTTデータ」)、およびセキュリティ・トークン/デジタル証券の発行・ライフサイクル管理プラットフォームを提供するSecuritize Japan株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役:ジェイ・フランシスコ・フローレス、以下「Securitize」)の3社は、デジタル証券を活用した新たな資金調達の実現に向けて、地域企業や地方公共団体への展開を見据えたデジタル証券活用モデルの構築に関する本格検討(以下「本取り組み」)を開始します。

 まずは、山陰合同銀行自身を発行体とする社債型セキュリティ・トークン等の発行について実現可能性を検証します。当該発行が実現した場合、地方銀行本体による社債型セキュリティ・トークンの発行・販売として初の事例(※1)となります。

 本取り組みを通じて、地域企業には資金調達手段の選択肢拡大、地方公共団体にはデジタル地方債の活用、地域金融機関には自治体・法人・個人向け金融サービスをつなぐ新たな接点の創出をめざします。

(※1)リリース時点、山陰合同銀行調べ。なお、本件は検討開始段階にあり、本取り組みの実施および社債型セキュリティ・トークンの発行は、関係当局への確認や発行体における社内決定等を踏まえて判断される予定であり、現時点で確定したものではありません。

■ 背景

 地域企業や地方公共団体では、地域課題の解決や地域経済の活性化に向け、資金調達手段の多様化が課題となっています。地域金融機関には、従来の預貸金ビジネスに加え、自治体や企業、住民との接点を生かし、地域価値の共創に貢献する役割が求められています。

 近年、ブロックチェーン等のデジタル技術を活用したデジタル証券は、新たな有価証券の形として注目されています。資金調達手段の多様化、投資家接点の拡大、発行後の情報提供や投資家管理の高度化などにつながるものとして期待されています。

 また、2026年5月27日に成立した第16次地方分権一括法により、地方債をデジタル証券方式で発行可能とする制度整備が進んでいます(2027年4月1日施行)。これにより、地方公共団体によるデジタル地方債の活用可能性が広がることが見込まれます。一方、現状の地方債市場は、金融機関や機関投資家による購入が中心で、個人投資家などの参加は限定的です。地方債のデジタル証券化により、小口化、オンライン化、発行後の情報提供を組み合わせた資金使途や事業進捗の可視化が進めば、企業や住民が地域事業に参加しやすい仕組みを構築できる可能性があります。

 山陰合同銀行は、地域金融の高度化に向けて、デジタル証券活用の可能性を検討してきました。2025年4月に開催した社内ピッチコンテスト「第3回 当行のミライを考える会」において最優秀賞を受賞したアイデア「ごうぎんデジタルグリーンボンド」を契機に検討を深め、その過程で、NTTデータおよびSecuritizeが有するデジタル証券分野での知見・機能と方向性が合致し、3社で継続的に協議・検討を重ねてきました。

■ 本取り組みの概要

 本取り組みで検討するのは、山陰合同銀行が自ら社債型セキュリティ・トークンを発行し、投資家へ直接販売する「自己募集」型のスキームです。

 本取り組みを通じて、山陰合同銀行が利用するNTTデータの共同利用型システム「地銀共同センター」と、Securitizeのデジタル証券プラットフォーム「Securitize PF」を連携させたサービス提供をめざします。これにより、投資家は、山陰合同銀行のインターネットバンキングからデジタル証券の申し込み画面へ遷移し、証券口座を新たに開設することなく小口・非対面で投資に参加できるようになります。投資資金の払い込みや利金・償還金の受け取りも、保有する銀行口座を通じて行うことを想定しています。

 本取り組みでは、発行体としての手続き、商品設計、システム設計、投資家管理、情報開示、販売実務、期中管理、利金・償還対応、法令対応などの観点で実現可能性を検証し、地域でデジタル証券を活用する際に必要となる実務・運営面の知見を蓄積します。

 得られた知見は、地域企業や地方公共団体へ展開するための業務モデルとして整理し、具体的な支援内容の有効性もあわせて検証します。

 将来的には「地銀共同センター」を共同利用する他の地方銀行などにも広げることで、地域金融の新たな資金調達インフラとしての展開をめざします。

【図1】「自己募集」型スキームにおける「地銀共同センター」と「Securitize PF」の連携イメージ

■ 本取り組みを通じた提供価値

 地域企業にとっては、融資や補助金に加えて、デジタル証券という新たな資金調達手段の選択肢が加わります。発行体と投資家をデジタルで直接つなぐ仕組みであるため、地域貢献に関心を持つ投資家や企業との接点づくりにもつながります。地方公共団体については、発行・販売から保有者管理、発行後の情報提供までの業務を整理することで、デジタル地方債を実際の資金調達手段として活用できる仕組みづくりを進めます。これにより、住民や個人投資家にも地域事業への参加機会を広げることが可能になります。

 そして、その担い手となる地域金融機関にとっては、自治体取引、法人取引、個人向け金融サービスをつなぐ新たな接点が生まれます。地方債や地域企業の資金調達を、地域貢献や資産形成の支援と結び付けて提案できるようになれば、地域金融サービスの選択肢も広がります。

■ 各社の役割

会社本取り組みにおける主な役割
山陰合同銀行本取り組み全体の企画、発行体としての検討、知見蓄積、将来的な地域企業・地方公共団体等向け支援の検討
NTTデータ山陰合同銀行が利用する共同利用型システム「地銀共同センター」(勘定系システム/インターネットバンキング)の提供者として、同システムと「Securitize PF」との連携方式の検討、およびシステム・サービス面での総合支援。地域金融機関や地方公共団体への展開を見据えたデジタル証券活用モデルの検討支援
Securitizeデジタル証券の発行・管理プラットフォーム「Securitize PF」の提供、「地銀共同センター」との接続実装、トークン化に関する設計・検討支援


■ 今後の展開

 3社は、本取り組みで検討する「地銀共同センター」と「Securitize PF」の連携方式をもとに、商用展開に向けた具体化を進めます。

 その後は、地域企業向けの資金調達支援モデル、地方公共団体や他の地域金融機関を含む多様な主体への展開、さらには地域企業、地方公共団体、地域金融機関、住民・個人投資家をつなぐ地域資金循環スキームの検討へと広げ、地域経済のさらなる活性化に貢献していきます。

【図2】段階的な展開イメージ

■ 各社コメント

株式会社山陰合同銀行 取締役頭取 吉川 浩

 本取り組みは、デジタル証券を活用し、地域企業や地方公共団体の資金調達の選択肢を広げるとともに、地域課題の解決につなげていく新たな挑戦です。まずはデジタル証券の活用可能性を検討し、そこで得られた知見やノウハウを、将来的に地域のお客様の資金調達支援へとつなげてまいります。NTTデータおよびSecuritizeとの連携のもと、地域における新たな金融サービスの創出に取り組み、地域経済の持続的な発展に貢献してまいります。

株式会社NTTデータ 金融イノベーション本部長 森谷 浩太郎

 NTTデータは、金融分野におけるシステム開発・運用の知見を活かし、本取り組みを支援してまいります。今回の取り組みは、地域におけるデジタル証券活用の可能性を具体化するうえで意義のあるものであり、将来的な地域企業や地方公共団体等への展開に加え、地域金融機関における活用モデルの広がりも見据えたものと考えています。今後もSecuritizeとともに、柔軟で拡張性のある基盤・サービスの提供を通じて、具体的な案件化を後押ししてまいります。

Securitize Japan株式会社 カントリーヘッド 小林 英至

 今回の取り組みは、グローバル最先端テクノロジーの地域レベルでの活用の第一歩となります。今後、全国の地域企業・地方公共団体が、世界標準での問題解決手法を利用し、より高次元の付加価値を創造・提供し、地域から日本全体の経済・社会の強化につながっていけば嬉しく思います。

■ 【参考】デジタル証券(セキュリティ・トークン)とは

デジタル証券(セキュリティ・トークン)とは、ブロックチェーン等のデジタル技術を活用して発行・管理される有価証券をいい、日本の金融商品取引法に定める「電子記録移転有価証券表示権利等」に該当するものです。従来の金融商品に比べ、投資家管理の高度化や小口化、デジタルを活用した新たな付加価値の提供などが期待されています。

■ 各社概要

株式会社山陰合同銀行
会社名:株式会社山陰合同銀行
所在地:島根県松江市魚町10
代表者:取締役頭取 吉川 浩
URL:https://www.gogin.co.jp/

株式会社NTTデータ
会社名:株式会社NTTデータ
所在地:東京都江東区豊洲3-3-3 豊洲センタービル
代表者:代表取締役社長 鈴木 正範
URL:https://www.nttdata.com/jp/ja/

Securitize Japan株式会社
会社名:Securitize Japan株式会社
所在地:東京都中央区日本橋室町2-1-1 日本橋三井タワー 6F
代表者:代表取締役 ジェイ・フランシスコ・フローレス
URL:https://www.securitize.co.jp/

以上